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Piano Less Music

僕はプロデビューして36年になるが、たったの一度たりとも「ピアノの音色は好きじゃない」といった人には(幸運にも)出会ったことがない。例えば、ヴァイオリン、トランペット、サックスといった楽器の好き嫌いは2つに分かれる(?)だろうと察するし、聴き手の90%が異口同音に好む趣きの楽器だとは言いがたい。つまり聴き手個々に好き嫌いが明確にある。…僕ですら(特定の素晴らしい奏者を除いて)ヴァイオリンよりもヴィオラが好きだし、トランペットよりもフリューゲルホーンのほうが好きだったりする本音があるくらいだ。ピアニストの僕ですら「今日はピアノの音〜CDを聴きたくないなぁ」…と感じる日が時々ある。ジャンルやカテゴリー、演奏者云々ではなく、単に「今夜はピアノレスの音楽を聴きたい」 — と思う夜は週に2〜3回はある。(その頻度が多いか?少ないか?はこのブログテーマではないのでこれ以上は書かないが…)ピアノを排した音楽の愛聴盤 — なんて僕には数え切れないくらいの何千枚ものCDコレクションがあるし、なんら困らないのだが…特筆に値する「美し過ぎるピアノレス音楽」という趣旨でお気に入りの2枚を紹介したい。(左側CD)は僕が55年間の人生で聴いたレクイエムの中で“世界一美しいレクイエム”!!「皇帝レクイエム〜フックス(1660〜1741)作品集」だ。一瞬にして空気を浄化する魔法の音楽。…それは美し過ぎて悲しい。(右側CD)は「ブラームスの弦楽六重奏曲 #1, #2 」の名盤だ。ブラームスの弦楽四重奏は、僕が若かりし日の“和声学の教科書、教則本”であったし、かなり大きな影響を受けたが、この六重奏はさらに贅沢なハーモニーテクスチュアで実にゴージャズな響きを聴かせてくれる好盤だ。四重奏が200グラムのサーロインだとすると、この六重奏は350グラムの超グラマーサーロイン。ハーモニーが分厚い!!ヴァイオリン2本、ヴィオラ2本、チェロ2本 = 六重奏は贅沢だ、とにかく美味しい!!

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