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アラブ音楽 #1

僕がアラブ音楽に深い関心を抱くようになったきっかけは…やはりフラメンコ音楽探究回帰による必然的な出逢いであった。(この足跡については長くなるのでフラメンコタイトルのブログで改めて話したいと思う)とりわけ、“ウード”という楽器に魅せられたことでアラブ音楽の深層部に傾倒していった。確か42歳を超えた頃からであった。ウードは中東からアラビア〜イラクなど、モロッコにかけての「アラブ音楽文化圏」で使われる弦楽器であるが、実に妖艶で、深い味わいのピッチの揺れ感、官能的な曖昧さを醸し出す、アラブ音楽には欠かせない花形楽器だ。ピアノなどの典型的平均律楽器にはどう試行、工夫しても絶対に表現することができない“発音の訛り”をごく自然に、かつ超繊細に表現できるこのウードという楽器に僕はある種の“嫉妬”を感じている。(右側CD)サミル・タハル…ウード奏者マエストロの無伴奏ソロアルバムだ。伝統的なマカームをありがたく拝聴できる貴重な一枚だ。…カンカン照りの夏の暑い昼間にエアコンを(あえて)OFFにして、汗ダラダラ流しながら拝聴するのが中東に居るかのような(?)疑似体験的で僕は好きだ。(笑)(左側CD)はラヒーム・アルハジ…イラク出身のウード奏者の作品で、弦楽五重奏との共演という異色のアルバム。収録された楽曲は全て、現在も安らぎを得難いイラクで暮らす庶民の手紙にインスパイアされている。(アラブ音楽と弦楽五重奏のコラボという作品コンセプト以上に)宗教観対立や治安悪化に苦悩するイラクの庶民の叫びを拾い上げたその音楽観の美しさに息をのむCD作品だ。緊張状態から脱却できない中東という、また地球という同じ空の下、国〜宗教観に関係なく、全ての人間が平和に暮らせることを僕は日々切実に祈り続けている。

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