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追悼 / Wallace Roney

3月31日に、トランペット奏者のWallace Roney(ウォレス・ルーニー)氏がコロナウィルス感染症のためにNew Yorkで亡くなった。享年59歳… 早すぎる死だ。ウォレス(敬称略)以外にも、リー・コニッツ氏(Sax)、マイク・ロンゴ氏(Piano)、マヌ・ディバンゴ氏(Sax)が、同じくコロナウィルス感染による合併症の為に亡くなった – と合衆国のジャズラジオ局は報じている。ジャズ界でもコロナ感染による訃報・悲報が続いていることは、欧米に於けるまるで戦場と化している残酷かつ無慈悲な風景、医療崩壊の現実を思い知らされる。医療現場で働くプロフェッショナルの方々に敬意と感謝を表するとともに、一日も早い収束、安穏、世界の平和を日々祈るばかりである。

僕がウォレスのトランペットを初めて聴いたのは、確か 1989年、ニューヨークのジャズクラブ “Village Vanguard” で、Tony Williams(Ds) 5TET を聴きに行った時が最初だったと思う。素晴らしいグループだった、あの時の鳥肌の感動は今でも決して忘れない。こっそり秘密で回したカセットテープは今でも大切に持っている。ふと思うと、あの時の5人中の3人 (Tony Williams, Mulgrew Miller, Wallace Roney) は故人でもうこの世には居ない。

— 音楽は絵画や彫刻とは大きく違い、半永久的にナマ(実体@実態)にふれ合うということは叶わない。ナマの音楽に触れている時は、それは(二度とない)最初で最後のチャンスなんだということを、つくづく考えさせられる。確かに CD、DVDといった便利なものはあるが、それは言うなれば生身の人間とブロマイド写真の違いくらいの温度差や価値差があるわけで、、、CDは単なる「音の記録媒体」 に他ならない。今日は、自身の原体験 (1989年 New York) を回想し、ウォレスの音楽を讃えながら、彼を追善回向したいと思う。– Wallace, Rest in Peace. 

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