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D.Shostakovich

D.ショスタコーヴィッチ(1906〜1975)…素晴らしい秋晴れの今日は、朝からショスタコーヴィッチのピアノ作品が聴きたくなった。シベリウス, プロコフィエフと共にマーラー以降の三大シンフォニーコンポーザーとしての定評が確立しているロシアの大作曲家だが、ピアノ作品や小品も素晴らしいものが沢山ある。その中でも、この「24のプレリュードとフーガ」は長きに渡り愛聴してきたものの1つだ。多くのピアニストが演奏しているが、僕はロシアの女性ピアニスト TATIANA NIKOLAEVA(タチアナ・ニコラーエワ / 1924〜1993)の演奏が一番好きだ。(ショスタコーヴィッチご本人がタチアナ氏の演奏に感銘を受けて創作寄贈した作品であるということもあるが)完璧な演奏でその完成度は この世のものとは思えないほど美しい。…僕がショスタコーヴィッチの故郷であるロシア/サンクトペテルブルクで演奏会をさせていただいたのは2010年だった。ロシアのジャズミュージシャンの重鎮らとの「親善文化交流」としての渡露であった。素晴らしいスタンディングオベイションの公演となり、貴重な親善交流を大いに楽しんだことはまだ記憶に新しいが、もう約10年前の想い出だ。…ロシア在住70代の長老奏者からは、旧ソビエト/スターリン存命時代(〜1953年)に、敵国であったアメリカ産のジャズを演奏することなどは愚か、学ぶことすら国策として許されず、“地下の密室で誰にも知られないように内密に勉強し(少ない情報源としての)擦り切れた Duke Ellington のレコードだけを繰り返し聴き、手探りで必死に学んだんだ”…という壮絶な体験談を聞かせていただいた。音楽(jazz)に対する そのほとばしる熱情と想いは、長老のプレイから十二分に伝導し僕の心にタッチした。…「音の向こう側」に映像観が見える演奏家にはいつも深い感銘を受ける。それは縦割りのジャンル分けではなく、主眼とすべきは横割りのクオリティ分けなんだろうと思う。死ぬまでにもう一度だけ、サンクトペテルブルクで演奏してみたい、あの長老と一緒に…

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