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追悼 / ピーター・ゼルキン氏

2020年2月1日、ピアニスト@ピーター・ゼルキン氏が霊山に旅立たれた。(享年72歳)ご生前の氏の偉業に深い敬意を表すとともに、心よりご冥福を申し上げたい。音楽の三要素はメロディ、リズム、ハーモニー だなどというありふれた定義は一切の音楽教育を受けていない人ですら口にすることが許される常識であるが… 僕の場合は「音楽の四要素」という認識で日々瞬間、音楽に接している。これは自身のアウトプット〜インプット共に同様である。…さていつ頃からその「四番目」を自身の感性がキャッチするようになったのか?…記憶には無いくらい幼少期からだったのではないかと思う。言葉にすることによってその無形のものの実体(?)は、いささか意味合いがブレてしまうが、浅薄な僕の語彙力ながらもあえて精一杯の簡潔表現で言うならば…〝音の質感、音の色合い〟– この「四番目」の要素にこそ音楽の価値があるのだ–ということを、僕はこのピーター・ゼルキン氏の演奏、そして武満 徹さんの音楽などから改めて学んだ。武満さんが生前よく日本傅統音楽の本質についてインタヴューされた折によく引用された「一音成仏」という語句がある。深遠な5G世界観の理念である。こういった哲理は東洋のみならず西洋にも必ず存在する。例えば…ウィリアム・ブレイクの詩句から引用させていただくと– 「一つぶの砂の中に一つの世界を、そして一もとの野花の中に一つの天を見、君の手のひらの中に無限を、そして一ときの中に永遠を握ること」(ブレイク全著作 / 梅津済美訳)… これは、僕が日々プラクティスしている仏法の「一念三千」の哲理にも通ずるところがある。

ピーター・ゼルキン氏による武満 徹ピアノ作品集—この偉大な音楽は「大地の音楽だ」と評価した評論家がおられるが、僕は全く違うと思う。これは「宇宙の音楽」だと僕は感じる。

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