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My Favorite Album #2

AURELIO SELLES : アウレリオ・セジェス(1887〜1974) … スペイン・カディス出身の偉大なるフラメンコ・カンタオール(フラメンコ男性歌手)のレジェンドだ。僕はこの巨匠の歌を深く愛している。初めてアウレリオの存在を知ったのは、僕がスペインから帰国した30歳前半、逢坂 剛さんの小説を読んだ時だったと記憶する。…逢坂 剛さんといえば、著名な直木賞作家だが、Espanofio(スペイン愛好家)としても有名で、ご自身もフラメンコギターをお弾きになられる。(なかなかの凄腕!)一度、僕も NHKのフラメンコ特番で番組収録をご一緒させていただいたこともある。

彼の小説は、南スペインが舞台であったり、フラメンコやギタリストを題材にしたサスペンスが多いが、その小説の中でこのアウレリオ・セジェスの実名が出てくる場面がある。現在、日本(世界)の音楽マーケットでアウレリオの音源ソースはたったの1枚として入手不可能であるが、(類い希な気の利いた)フラメンコ・コンピレーションアルバム等に、運良ければ1曲くらい編集収録されていることがあるかも(?) というくらい激レアだ。…長年に渡って僕は、アウレリオの音源(LP)を捜していたのだが、2回目の渡西の時、マドリッドのフリーマーケットでたまたま見つけたのがこの中古LP盤だった。な、なんと1973年に日本コロンビアから発売されていた日本盤!が中古で流れ流れ、マドリッドのフリーマーケットでゴミ同然に売られていたわけだ。まだ EURO 貨幣のうんと以前で、スペインがペセタ貨幣だった頃で、確か 400ペセタ(¥600くらい)で買ったかな〜と記憶する。しかしこのレコード盤は今の僕にとっては、仮に10倍の4000ペセタでも欲しかったくらいの財宝。とても大切にしているアナログ盤の1枚だ!

思うに、昔の日本のレコード会社はホントに着眼点と音楽に対する美意識が素晴らしいと思う。コロンビアも、ソニーも、テイチクも… (光の当たりにくい)世界の財宝音楽に然るべきスポットライトを当て、レコード盤としてプレス〜発売していたのだ。この昭和時代のレコード会社の美意識と音楽に対する熱情には今でも賛嘆と拍手を送りたい。その頃の制作総括であられたプロデューサーさんや、エンジニアさん、ディレクターさん達は、察するに大半がお亡くなりになっているだろう(?) と思うが、もしご存命ご健在であれば、是非是非お会いして美味い美酒と焼鳥でも交わしながら音楽談義など拝聴させていただきたいものだ。

そういう視点から言うと、僕は 「昭和」 という時代の人々の心の温度が一番好きなのかもしれない。…(純朴な疑問だが)こういった良き昭和時代の日本コロンビア、テイチク、トリオ、ビクターレコード会社らが持っていた版権(マスターテープ)の数々は、今いったいどこの倉庫に眠っていて、それらは誰に所有権があるのだろうか??音楽界謎の1つだ。

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