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大塚博堂

日本のフォーク音楽がひとつのブーム(?)になっていた頃、自分は中学生〜高校生であったが、残念ながらそういった音楽にも流行にもほぼ興味すら湧かなかった。…確か自分が16歳の11月だったと記憶するが、(いささか早熟で悪友の)同級生の一人が、あるフォーク歌手のLP盤を貸してくれた。いわゆる当時(1970年代後半)の代表格であった吉田拓郎、井上陽水…といった王道のフォーク音楽などからは聞こえてはこなかった“音の向こう側の映像観”がそこにはあった。LP盤冒頭の1曲目で心臓を鷲づかみにされてしまった。大分県出身の歌手で、37歳で短い生涯を閉じた天才歌手@大塚博堂という歌手の「過ぎ去りし想い出は」という曲で鳥肌がたったことは今でも忘れない。それから大塚博堂氏の作品は年月をかけて全て集めた。この音楽はカテゴライズとしては「日本のフォーク」という棚に並べられる作品だと思うけれども、僕の中ではそのカテゴリーには入れられない。「大塚博堂の音楽」としか区分けできない特別な音楽なんだと思う。毎年10月末〜11月頃になると、彼の音楽に涙した16歳の頃を想い出す。あれから40年が経過したけれど、僕の感性の中で大塚博堂氏の音楽はまったく色褪せることなく、今も比類無き特別の輝きと美を放ち続けている。大塚博堂さんとの共演が叶わなかったことは、僕の人生の中の(数少ない)後悔の1つでもある。今宵は久しぶりに博堂さんの類い希な声帯〜美声と、音の向こう側の映像観に酔いしれる。

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