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FLAMENCO #2

インド音楽に関する文献、研究資料は多数存在するが、フラメンコに関してのそういった文献、資料は極端に少ない。ましてや日本語に翻訳された文献はほぼ皆無だと思う。だからこそ僕の探究心、憧憬心は胸騒ぎがするわけだ。一般的に言われがちな“フラメンコはスペインの音楽だろ!?”…という認識は決して間違いではないが、その本質、魅力、美を深く理解することを前提とするのであれば、それだけの認識では不十分だと思う。…フラメンコは19世紀中頃、アンダルシア地方(南スペイン)で誕生したアートフォームだ。多種多様な民族・文化・宗教が融合した新しい音楽形態であった。モサラベ音楽・イスラム音楽・アラブ音楽・ギリシャ音楽・ユダヤ音楽・グレゴリア聖歌・カスティージャ地方の民謡などなど…そして、インドやパキスタンから来たヒターノ(ジプシー)達の強い文化…これらがゴチャ炊きのように混ざり合って生まれたのがフラメンコだ。インド音楽ではミュージシャンが演奏するための枠組や、その枠組の中での構成要素はかなり可変的であり、現実の音楽実体は演奏して初めて具現化されるものだった。しかし、幸運にも(笑)フラメンコの枠組は、スタイルとして明確に示すことができる。リズム的にもハーモニー的にもだ。–(左側 BOOK)は、浜田滋郎先生(スペイン語圏/音楽学者のパイオニア)の著述による素晴らしい研究本。僕はこれ以上の完成度のフラメンコ研究資料を今までに見たことがない。(右側 BOOK)は、D.E.ポーレン氏というフラメンコ研究家が1962年に書いた研究本を青木和美氏が翻訳したもの。僕はこの2冊から多くを学び、フラメンコへの理解と見識を深めたが、まだ未だに解らない部分が多々あり、その音楽足跡〜神秘性は謎に包まれている。何故?フラメンコが僕の心臓と感性をここまで鷲掴みするのか??…それは自分自身でもまだわからない。

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