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Jazz Piano Class 所感 #1

長きに渡り、ジャズピアノクラスを主宰している。過去に専門学校のクラスやヤマハ・山野楽器クラスでも教えてきた生徒さん達を加算すると、かなりの数の生徒さんやセミナー受講生の方々と関わってきた。その音楽講師としての足跡の中で、指導メソッドやカリキュラムも地層のように徐々に形成されてきたが、今でもより良いメソッドを目指してアップデートは止まらない。

単なる余暇の気晴らし程度にと嗜むジャズピアノ入門のクラスは、カルチャーセンターや、ヤマハさんの“大人のためのピアノクラス”にお任せすることにして…僕のクラスに入会を希望してくる人は、もう少しだけ志が高い人が多いようにも感じる。(まぁ、人からの紹介入会もあるので例外も時々あるけれど…)ここ最近、今までの長年の指導経験から、受講生個々の音楽能力向上について自分なりのメソッド方程式が明確にできてきた。

例えば、音楽の3要素は?などと質疑されて、その回答として(1)メロデイ (2)ハーモニー (3)リズム — と答えるレベルに始まり、ある程度の音楽経験を積んだ生徒さんが、(1)技(技術) (2)情(情感) (3) 知(知覚)– だと確信を得るような中等レベルを経由し、、、(1)思考機能  (2)感情機能  (3)感覚機能 だと確信できる悟達レベルまで、個々の現在地は10人10色だが…今日はあえて、後者の3要素(+1要素)について書こうと思う。

(1)思考機能… 音楽的知識・判断力・分析力・論理性などなど人間の理性と関わる能力。そして、フィジカルな演奏技術とスキル。

(2)感情機能… 音楽的情感・情熱・精神力・イマジネーションなど人間の感受性と関わる能力。

(3)感覚機能…芸術的調和感や統一感など知的美意識と関わる能力。音色・ハーモニー感覚・バランス感覚・リズム感覚。そしてエモーショナル美意識や音楽的デリカシーと関わる能力。

プラス 1 …【補助機能として】 (4) 直感機能… 独創性や、斬新〜ユニークなアイデアなど常識にとらわれない発想力と関わる能力。

【参考文献:人と音楽のかかわり / 岡田昌大 著】

…僕は音楽の3要素を上記のように、あえて定義してお話を進めたい。僕のクラスはこの方程式に基づき、生徒さんの偏差値を60以上に向上させることを主眼としている。(いささか話題は脱線するが) 例えば赤信号がもし青信号に見えてしまったならば、それは色覚異常であり眼科管轄の疾患である。聴覚検査により、もし難聴が確認された場合は耳鼻科管轄の疾患であるが、仮に長七和声と短七和声の識別が瞬時に出来なかったとしても、その聴覚異常(?)は耳鼻科では治療できない。また音楽教室でも治癒はほぼ見込めない。なぜこんな話をわざわざ書いたかと言うと、この聴覚異常(?)の練習生は意外にも多いからだ。ちなみに、この異常(?)に関しては、初回のレッスンの最初の5分でわかってしまう。…しかし、残念なことに、この聴覚異常(?)の治療は今の僕にはできない。(というか 99% の音楽講師にはこの治療はできない)

さて脱線した話を元に戻そう。今、僕のクラスに通う生徒さんの中で優秀なお弟子さんが数名おられるが、、、●●●さんは、うちのクラスに通い初めて5年くらいになるかな。ここ1年で以前とは別人のように音楽的躍進を遂げられた。先日ある楽曲のリハモナイズを Home Work 課題で出したのが、その仕上がりの美しさと完成度に僕は驚愕した。日々、生徒さんから(音楽的に)学ぶことは、95% 皆無だが、この時は、彼女の斬新なアイデアとその分析力に思わず息を飲んだ。そこで彼女に聞いてみた。「なぜこんなスゴいことが出来るようになったの??」 すると …Re) 「全て先生から教えていただいた技法と論理性に従って自分なりに模索しながらやってみただけです」…と。彼女は音楽3要素は勿論のこと、プラス1の4番目(直感機能)をもいつの間にか既に獲得していたのだ! 素直に素晴らしいと思った。もう僕が彼女に教えられることは、今はもう無い。こういった類い希な生徒さんが、6年に1人くらいおられる。(つづく)

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